私たちの研究室では、動物の行動が起こる仕組みを、分子(遺 伝子)・細胞(脳)・個体のレ ベルで解明していくことを目指しています。
ヨーロッパ周辺に起源を持つDrosophila subobscura(ヒメウスグロショウジョウバエ)は、雄が口移しで食べ物を雌にプレゼントして求愛すること(婚姻贈呈)で知られています。
当グループの富原健太(現・東京大学助教)は、アフリカ大陸西岸沖のマデイラ島固有種、D. madeirensisと、その南に位置するカナリア諸島の固有種、D. guancheの近縁3種間で求愛行動を比較し、
D. subobscuraと約100万年前に分岐したD. madeirensisが婚姻贈呈を行うのに対して、約170万年前に分岐したD. guancheは、婚姻贈呈はおろか、ほとんど何もせずにいきなり交尾を試みることを発見しました。
島嶼は進化の実験場と言われますがまさにその好例であり、今後の行動進化研究に優れた解析システムを提供する成果です。

図 : D. subobscuraサブグループ3種の系統関係とその生息地.
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